書類選考を通過しやすい書類とダメな書類

 

履歴書と職務経歴書の意義・目的とは

転職活動をされる際にはほとんどの場合、履歴書や職務経歴書(応募書類)を作成します。では転職活動における応募書類の存在意義とは何でしょうか。それは書類選考を通過することだと思います。つまり、極端な言い方ではありますが、書類選考を通過する応募書類は良い応募書類であり、通過しない書類は悪い応募書類ということです。もし転職活動をされていて、「書類の通過率が低いな」と感じられている場合は、一度ご自身の履歴書・職務経歴書の内容を見直してみると良いかもしれません。
そしてもう1つの応募書類(主には職務経歴書)の意義・目的としては、「ご自身の経歴書を見直す機会になる」という点です。普段仕事をしていて、過去の経歴を振り返り、棚卸をして、言語化する機会はなかなかないと思います。職務経歴書を作成するという行為は、ご自身の過去の職歴を振り返り、強みや弱みを把握しておくためにも非常に有意義なことだと思います。

良い履歴書のスタイルとは

ここでは良い応募書類の書き方について説明します。まずは履歴書からとなりますが、履歴書は定型のフォーマットをもとに作成することが多いと思います。市販の書類や、インターネット上からダウンロードしたもの、もしくは人材紹介会社が持っている雛形などを活用することが一般的です。
ここで1つ注意しなければならないことは、今使っている履歴書のフォーマットは、良いフォーマットなのか否か、ということです。履歴書に記載すべき内容は、氏名、年齢、性別、住所、連絡先、学歴、所属会社(過去の分も)、保有資格などです。逆に言えばそれ以外の情報は不要です。
例えば、自己PRや志望動機、趣味特技などの項目が含まれた履歴書フォーマットがあります。このようなフォーマットは出来るだけ避けましょう。自己PRや志望動機は、応募先企業ごとに変えるべきものです。そのため、応募企業ごとに履歴書を作らなければならなくなり、非常に手間がかかります。履歴書は同じ内容のものを各応募先企業で使い回せるように、出来るだけシンプルで必要最低限の情報だけに限ったフォーマットを使うようにしましょう。

良い職務経歴書の書き方

次に職務経歴書の書き方についてです。職務経歴書の存在意義・目的は前述した通り、書類選考を通過するためのものです。そのため、採用担当者に「この人に会ってみたい」と思わせる内容にする必要があります。
この目的を踏まえたうえで、職務経歴書に盛り込む項目としては主に4点あります。

①職歴の概要
社会人になってから現在までの職務経歴を簡単に文章でまとめておきます。採用担当者がここさえ読めば、応募者の方の略歴を把握してもらえるようにします。面接時に口頭で説明するご自身の職歴を、文章化したものと思っていただいて構いません。

②自身の得意分野・強み
ご自身の経歴の中で応募先企業にアピールできる(刺さる)経験や強みを3~5個ほど記載しましょう。2個では少なく、6個以上は多いです。書き方は箇条書きでも良いですし、それぞれの強み毎に内容を補足(補強)しても良いでしょう。この項目は、応募先企業ごとに書き換えるべき部分となります。

③職歴の詳細
ここでは過去の職歴をより詳しく説明します。具体的には、時系列で(より直近の職歴を上に)過去の経験されたプロジェクトや部門の変遷ごとに詳しい内容を記述します。あまりアピールを意識する必要はありませんので、ファクトベースで記述しましょう。注意点としては長くなり過ぎないことです。職務経歴書全体として、Wordファイルで2~3ページ程度が理想です。5ページ以上になるようであれば、内容を割愛することを検討しても良いと思います。

④その他のアピール
職歴とは関係ないものの、企業にアピールできることを記述する項目です。例えば、「学生時代に何らかのスポーツで全国優勝した」、「仕事では使っていないが高いレベルの語学力がある」などです。ここに記載した内容が、面接時の話題になる可能性もありますので、仕事以外の強みがある場合には必ずその内容を記載するようにしましょう。

職務経歴書の書き方は以上となりますが、外資系企業に応募する場合には英文のレジュメが必要なことがあります。こちらは履歴書・職務経歴書をミックスさせたような書類になります。詳細についてはご相談下さい。

書類選考を突破するために

これまで転職活動時に必要な書類の書き方について説明してきましたが、最後に書類選考を突破するうえで重要な書類について補足で説明いたします。それは「志望動機書」です。
志望動機書とは、ワードファイル1枚程度の分量で、応募先企業を志望する理由をまとめた書類です。「自分がこれまでどのようなことをしてきたのか」、「どのようなことがきっかけで転職を考えるに至ったのか」、「何故、その企業を受けたいのか」、「将来何を実現したいのか」等についてまとめます。
履歴書に志望動機を書かれているケースもありますが、たった数行のありきたりな志望動機であれば、ない方がましです。志望動機を書いて熱意をアピールする場合は、履歴書・職務経歴書とは別に志望動機書を書くことをお勧めします。
繰り返しになりますが、もし転職活動をされていて「書類の通過率が低いな」と感じられている場合は、一度ご自身の履歴書・職務経歴書の内容を見直すとともに、志望度が高い企業に応募する際には、志望動機書を作成することも検討されると良いと思います。