内定獲得力を最大化する

 

転職活動とは何か

ご相談者の方々には「転職活動することと、転職することは別です。」とお伝えしています。転職活動というのは、これまでのキャリアの棚卸をして、今後の目指すべきキャリアを考え、現在とのギャップを洗い出し、キャリアプランを達成する(ギャップを埋める)ための転職候補先を抽出し、選考を受けて、内定を獲得すること。ここまでが転職活動です。
そして転職するということは、その内定を受諾して、現職を退職して、新たな会社に入社することです。
転職活動をした結果、転職はしなかった、ということはよくあります。転職活動を通じて、現職に残ることを決められる方もいますし、また転職はせずにご自身で独立起業される方もいます。
しかしながら、結果的に転職しなかったとしても、転職活動には全力を尽くして臨むことが重要です。中途半端な気持ちや準備で活動をして、本来十分に獲得できる可能性のあった内定がとれなかった・・・という事態は避けましょう。後に大きな後悔をする可能性があります。

内定を獲得することが重要な理由

よくあるケースですが、何となく現職に不満があり、何となく転職活動をして、何社か応募をした企業がNGとなり、面倒になって転職活動をやめて結果的に不満はあるものの現職に残る・・・といったことがあります。
これは本当に勿体ないことです。なぜならば一度NGになった企業には1年間~3年間は再応募できないからです。もちろん、企業によって再応募できない期間は異なりますし、NGの理由によっては再応募可能なこともあるかもしれません。
先ほどのケースでいうと、「現職に残ったものの、不満がある。」、「やはり転職をしよう。」、「前に受けたあの会社に行きたいな。」、「もう一度応募してみよう・・・・。」と思ってもノーチャンスということです。
それに対して、内定を獲得していながら、その内定を辞退して現職に残った場合は、話が違います。企業としても高評価だったから内定を出したわけですし、高評価の人材が再応募してきたならば、落とす理由はあまりないですよね。もちろん、以前に応募したポジションは既に他の人材を採用することで埋まってしまっているというケースはあると思います。
それでも、内定を獲得して辞退した方が圧倒的に次のチャンスにつながるのは間違いありません。
さらに言えば、単に内定を獲得するのではなく、最大限の高い評価の内定が獲得できるように努力をしましょう。単なる内定と、高い評価の内定ではオファー条件が変わってくる可能性があります。より良い条件を引き出すためにも、内定獲得力の最大化を目指し、より高い評価を得られるよう努力しましょう。

そのために大事なこと

内定獲得率を最大化するために大事なこと、それは徹底的な対策と準備です。まずは応募書類(履歴書、職務経歴書など)をピカピカに仕上げることです。履歴書は定型フォーマットが多いので、より工夫をするとしたら職務経歴書です。内容、レイアウトなど、企業がどのような人材を求めているのかを意識して、ご自身の経歴や強みを棚卸して、徹底的に作り込みましょう。応募先の企業ごとに職務経歴書を作り変えても良いかもしれません。
そして忘れてはいけないのが面接対策です(筆記試験がある企業を受ける場合には、筆記の対策も必要です)。ご相談者の中には「ありのままの自分を見せて企業に判断してもらいたいので、対策は不要です。」という方もいます。もちろん、その考えは良いと思いますし、必要以上に着飾る必要もないです。しかしながら、そもそも採用面接という非日常なシチュエーションにおいて、「ありのままの自分」を出すことは大変難しいことです。面接対策というのは、面接の場面において「ありのままの自分」を出すための練習と言ってもよいと思います。
この書類の準備と面接の準備に手を抜かずに取り組むことが、内定獲得力の最大化につながりますので、是非取り組んでみてください。
繰り返しになりますが、転職活動することと転職することは別です。とはいえ、もし転職活動をするのであれば、万全の準備で臨むようにしましょう。結果的に転職しなかったとしても、将来の選択肢が増える可能性もありますし、ご自身のキャリアに対する考え方に変化が生まれるかもしれません。少なくとも過去の経歴を棚卸し、今後のキャリアについて考えてみる良い機会になると思います。